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マジック(超能力)

 



長崎ガイドなのに、マジック? 超能力?

そう。

実は私は、超能力とか怪現象とかの、いわゆる不思議なものに目がない。

大金持ちになる方法、または、宇宙人の正体

どちらかの真相を教えてくれると言われたら、

躊躇なく宇宙人の方を選ぶ。

それくらい不思議モノには興味があるのだが、

そんな私の耳に、聞き捨てならない噂が流れ込んできた。

長崎の川棚(かわたな)というところに、

信じ難い超能力を披露する喫茶店があるというのだ。

その噂の内容がすごい。

乗ってきた車のナンバーから生年月日までズバリ言い当てられた、とか

店に預けた時計が数日後、自宅の壁からポロリと出てきた、など

にわかには信じ難い内容なのだ。

そして、その超能力ショーを見に

全国から続々と人が訪れているというではないか。

とにかくこれは自分の目で確かめて見なければ!

 


  あんでるせん


噂の店の名は「あんでるせん」。

その超能力ショーを見ること自体にはお金はかからない。

あくまでも喫茶店であり、飲み物なり食べ物なりを

何か注文するだけでいい。

しかしそこまで辿り着くには険しい道のりが…


まず、いきなりふらっと訪れても、店に入ることは難しい。

当日、朝8時から電話予約をしなくてはならない。

昔は店の前に行列を成して並んだらしい。が、

100人くらい並んだり、前日から徹夜して待つ人まで現れたので

近所迷惑ということで現在は電話予約を優先とのこと。

しかし予約できるのは当日だけ。

ということで、朝8時に電話をかけるわけだが

これがプロ野球日本シリーズのチケット販売のごとく

なかなか電話が繋がらない。

#この時点で既に普通の喫茶店じゃない…

何度も掛けなおしてようやく繋がったのは8時半近くで

私は午後の部の予約となった。

電話番号:0956-82-5385
定休日:第1、第3日曜


午後の部?

そうそう、この店は完全入替え制で、(!!…)

午前の部が朝10:00~15:00くらい

午後の部が昼15:00~19:30くらい

そして土日に限り夜の部があり、それが19:30~23:00くらい

となっている。(1回に入れる人数は30人)

#ここに至ってはもはや普通の喫茶店の領域を完全に逸脱している…

え? 1回の時間が妙に長いって?

それについては後ほど…

 


  JR川棚駅


あるんでるせんがある「川棚」は、

長崎から佐世保に向かう電車(シーサイドライナー)で

1時間ほどのところにある。

車だったら、東彼杵(ひがしそのぎ)で高速を降り

国道沿いにハウステンボスに向かって少し走ったところ。

やはり長崎市内からだと1時間弱くらいだろうか。

正直、とても田舎である。

JR川棚駅。いかにも田舎だ。

あんでるせんの位置は、川棚の駅前、歩いてすぐ。

車で来た場合は、駅の駐車場に駐車することになる。

駅の駐車場、と言っても料金も安いし(1時間100円だったかな?)

空いているので安心だ。(^^)

 


  到着

 

ということで、川棚に到着。

そしてこれが噂の「あんでるせん」。

よ、四次元なのか…!?

店の前には早くも行列ができていた。

会話の雰囲気から、その日もやはり

あちこちの県外からわざわざ来ているようだった。

おそるべし、あんでるせん!

 


  店に入ってからがまた


さてさて、店に入ってからがまた長く険しい。

とにかく待たされる。

注文をとってからモノが出てくるまでに約1時間。

食べ終わってから片付けられるまでに約1時間半。

その間、ひたすら待つ!

私は事前に「すごく待たされる」と聞いていたし、

元々のんびりするのは得意な性質なんで

それくらいの待ち時間はなんてことないが

せっかちな人や、一人で本も持たずに来た人にとっては

つらい時間であろう。

また、店内は禁煙にはなっていない。

大のタバコ嫌いであるうちのかみさんは

「もう息ができない」

と言って、途中で帰ってしまった。

# あんでるせんで食事だけしてショーを見ないで帰ったのは
# 後にも先にもうちのかみさんぐらいかも…

また味の方は、いかにもレトルトなカレーが出てきて

「うまい!」とはお世辞にも言い難い。(-_-;)

こうして店内の全員が食べ終わり、

後片付け・清算も終わったところでようやくショーは始まる。



  そして噂のショー


ショーは、カウンターの前に全員集合する。

前の方の5人くらいだけが椅子に座って見ることができ、

残りの人はみな立ち見。

30人ほどの客が皆、これから始まるショーに期待を膨らませている。



あんでるせんの超能力マスターとは、

一体どんな偏屈な人物が出てくるのか…?!


年齢は50代~60代。やや小太りな体型。

サングラスをかけ髭を生やし、めったに笑わない無愛想なオヤジ…

というのを勝手に想像していたら、実際は全く違った。

登場したのは若々しい、爽やかなおにいさんではないか!


最初はエスパーカードから始まった。

私は一番最初に指名され、幾つかのマークの中から

思いついたマークを言ってくれ、とのこと。

適当に「じゃあ、○」と答えると、

「正解!」と言って、カードの山の一番上をめくると

そこにあるのは「○」。


それから約1時間半に渡ってたっぷりと、

軽快なトークと共にショーは行われた。


個人的感想:

1.まず、すごく面白かった。

特にトークが笑えて、かつ、ためになる話でもありとても良い。

2.噂されていたような現象、

預けた時計がある日自宅の壁からポロリみたいな現象はなかった。

テレビでMr.マリックなどが超能力マジックとして披露しているものと

同じ範疇のものである。

#私はマジックなどが好きで以前からよく見ていたからそう思ったものの、
#その他大勢の一般の方は「あれは超能力だ」と錯覚するかもしれない。

また本人も

「私は超能力者ではありません。一介の喫茶店のマスターです。

店は2階ですけど。」

と言っていたし。(笑)

ただし目の前で次々とそれをやってくれる為、インパクトは強い。


というわけで、私は「超能力ショー」というよりはむしろ

「コメディタッチのマジックショー」という印象を受けた。

それもただ笑わせるだけではなく、人生の教訓みたいな話を交えてあり

さながら「さだまさしのコンサート」のような爽やかさを覚えた。

#わかる人にしかわからないな、これじゃ。

実際、あんでるせんのマスターの話を聞いて元気をもらった

という感想をもらす訪問者は多いらしい。   

あんでるせんのマスターによってグニャグニャに曲げられたスプーン。

こういう形に曲げておくと、机の上でクルクル回転させることができ、

カラオケで次に誰が歌うかを決める道具として使える、とのこと(笑)

 




しかしなぁ…

・予約はせめて前日からできるようにはならないのだろうか?

(当日の朝ではその日の予定が立てられないよ!)

・店内禁煙にはならないだろうか?

(タバコがダメな人にとってあの待ち時間は厳しいと思う)

・カレーはレトルトじゃないのがいい。

(もしくはレトルトとはわからないように出してほしい)


以上の点が改善されたらより良い店になると思うのだが…

しかし! それら悪条件(笑)をも乗り越えて

連日県外から見物客が押し寄せるあたり、やっぱり

あんでるせん恐るべし!である。


2003.10

 


  さらにもうひとつ

長崎にはさらにもうひとつ、有名なマジックの店がある。

なんでもそこはマジックの世界チャンピオンになった人が

経営している店だとか…。

これは行くしかない!




  マジックシアター


その店の名前は「マジックシアター」。

場所は長崎市内の浜口町というところ。(一本足鳥居のすぐ近く)

ここはお酒を飲みながらマジックを見るマジック・バー。

そしてこのバーのマスターが、かつてマジックの世界大会で

グランドチャンピオンになった小川心平さんである。

私が最初にこのマスターを知ったのは、

TV番組「たけしのテレビタックル」だった。

「超能力は本当に存在するか否か」

というテーマで肯定派と否定派に分かれ、

参考映像を見ながら議論する、というか罵り合う番組。

私はこの手の番組が大好きで、つい見入ってしまうのだが

そこで超能力否定派の最終兵器として登場したのが

小川心平氏であった。

氏はスプーン曲げ等のいわゆる超能力現象を

次々と披露した上で、

「これらは超能力ではありません。マジックです。」

と言い切った。

しかも今まで見てきた、いわゆる超能力者が行っている

スプーン曲げより、格段にありあえない方法で曲げてみせた。

スプーンよりも曲げるのが難しいと思われる割り箸の

端を持って、それをブラブラと揺らす。

目の錯覚で、曲がったように見えてるだけだと思いきや

揺らすのをやめると本当に曲がってしまっている!

(これは種明かしまでしてくれた。)

あの超能力否定派の代表格・大槻教授が

「あなたの方がよっぽど超能力者じゃないか」

と言うほど、それは見事な技であった。

 


  そして店に入る

 


そして店に入る。

マジックシアターは基本的に、バーである。

料金は2時間飲み放題で、男性4000円・女性3500円。

このうち約30分ほどがマジックショーの時間となる。


というわけで、入店後しばらくは一緒に行った人と

ひたすら飲みながら喋っていた。

ここまでは普通のバーと同じである。

そしてある程度時間が経ち、お客さんが集まってきたところで

いよいよ、マジックショーは始まった。


ショーは、長崎弁によるマスターのラフなトークから始まる。

(下ネタ、オヤジギャグ有り)

あれ? なんかテレビで見たイメージと違うぞ?

と思い、後で聞いてみると

あれは番組側の意向であぁいうイメージでやってくださいという

指示があったため仕方なくそうした、とのこと。

なるほどぉ。。裏話である。


で、問題のマジックはというと…

さすが!!

という他ない。

例えば、トランプの中から1枚を客に選ばせる。

別の客には2枚のジョーカーを渡し、シャッフルしてもらう。

シャッフルと言っても2枚しかないから上下入替えるだけだが…

その2枚のジョーカーをテーブルの上にポンと置くと、

アレ!?

いつのまにか間に1枚、先ほど客が選んだカードが挟まっている。

客全員 「アレ!?」

マスター「マツムシが~鳴いている~♪」

と、こんな感じで、驚愕の現象と、脱力トークのオンパレードであった。

マジックの世界チャンピオンになったこともあるマスター・小川心平さん

100円玉に、タバコならぬ丸めた1万円札を貫通させる現象も

見せて頂いた。タバコの煙も100円玉を通過。

面白かったのはそれぞれの客の反応で、

あるかわいい女性の方は、

「ウソ―!!…みんな何でもっと驚かないの?」

すると無口で知的な感じの男性が、あくまで知的に

「いえ、驚いてますよ。」

とポツリ。

こんな感じで、ショーが終わる頃には

マスターとそのマジックを通じて、

知らない客同士までもが、なんとなく仲良くなってしまうのである。

(まぁ、こういうのはその時集まった面々にもよるのかも知れないけど。。)


 

 


せっかくなので記念撮影をパチリ。
(私は撮影者なので写ってまへん。)


ということで、マジックシアター。

場所も長崎市内だし予約とかも特に要らないので

観光で来た時にも行きやすいと思う。

ただしゴールデンウィークとかは県外からの客で

けっこう混むらしいので、そうでない時の方が狙い目かも。

マジックシアター

 


 

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 2004.4