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おくんちレポ2004

⇒ 長崎くんち(基礎編)

 

  今年の見どころ


今年の見どころは、やはりなんと言っても太鼓山(コッコデショ)であろう。

というのも、実に多くの長崎人が

「コッコデショが一番よか!」 「鳥肌の立つ!」

と言っているのを聞いていたからだ。

おくんちと言えば、「龍踊り」だと思っていた私なぞは最初

「え?コッコデショって何? っていうか何語?」

と思ったものだ。

コッコデショとは、くんちの出し物のひとつである。

が、7年に一度しか行われない為、滅多に見ることができない。

それがちょうど今年がコッコデショの年なのだ。

というわけで、長崎っ子も一段と盛り上がったおくんちであった。

 


  10月3日・庭見せ


まずは、10/3の夕方おこなわれる「庭見せ」を見に行った。

コッコデショがスタンバイしているところ。

この座布団の山のようなものがコッコデショ。

これが動くのかと思うと、ワクワクしてくる。

サンダーバードが基地で待機している場面を連想。)

庭見せ定番の、お供え物の数々。

食べ物がたくさん積んであると、なぜか嬉しい。

これは栗饅頭。写真ではわかりにくいが、かなり巨大。

「御花」と書かれたのしの大きさはA4サイズくらいある。

せっかくなので食事して帰ろうと思い、
お粥レストランpappa」という店に寄った。

ここはメインデッシュがお粥、というレストラン。 メインがお粥って何か変だが、ここなら0歳児の梢でも食べられる。ここは店内の照明がうまく、女性が2割増しくらい美人に見える。デートに使うならオススメかもしれない。メニューもヘルシーでいい。
ただし、昼間は安いが夜はけっこう高い。豆腐とかキンピラとかを、しゃれた皿に盛ってコース料理のように一品ずつ出してくるので、一瞬
「お!」
と思うが、冷静に考えると騙されているような気もしないでもない。
あ、いや、すごく良い店です。


梢も2割り増し美人に

 


  10月7日・おくだり


そして、おくんち初日の10月7日。

この日は、「おくだり」が行われる。

おくだりとは、諏訪神社に納められている「御神体」を

担いで「お旅所」まで移動させるイベント。

時間はだいたいお昼(12時)ぐらいから行われる。

御神体が諏訪神社から降りてくるところ。

ヘビーな御神体を屈強な男どもが担ぎ上げる。

石段が急なので大変そうだ。滑ったらシャレにならない。

ちょっと驚いたのだが、御神体が現れた途端、

みんな次々と賽銭を投げ入れる。

下に落ちずにうまく乗っかればご利益があるとかで

賽銭がビュンビュン飛び交うが、なかなか入らない。

私も負けじと、財布の中にあった穴が開いた硬貨を

全て放出した。何個か乗った。

 

御神体の移動は、車を通行止めにし、大名行列のように行われる。

「わっしょい、わっしょい」とか、「ワショーーイ!」とかは言わない。

黙々と移動していく。

長い竹を引きずって歩く人。

それぞれ、ちゃんと意味があるんだろうが、

私にはサッパリわからず、外国人のように物珍しげに眺める。

御神体は重いので、休みを入れながらゆっくりと進む。

地面に置かれると、上の写真のように子供達がその下をくぐる。

なんでもこれまたご利益があるとかで…。

「危ないからダメ!」とか誰も言わないところが、なんとも大らか。

天狗も歩いてる。この日は暑く、天狗はややバテ気味だった。

馬もいる。触れる。

着飾った子供たちとお母さん軍団。素敵。

(どうやったらこれに参列できるんだろ??)

市役所の前では、傘鉾が一堂に集結していた。

 


  コッコデショ



おくだりを見物した後は、庭先回りを見た。

コッコデショが、3時頃大波止のフェリーターミナルの前にやってくる

というので、待ち伏せすることに。

予定時刻を20分くらい過ぎた頃、男どもの勇壮な歌声が聞こえてきた。

そして、我々が座っている目の前、まさにベストポジションで

コッコデショを披露してくれた。

噂に違わぬ迫力!

上の写真は、コッコデショの見どころである

御輿を上に放り投げ、それを片手でキャッチしたところ。

屈強なる男達が繰り出す息の合った挙動が

キビキビとしていて、なんともカッコいい。

 

コッコデショの人気は、さすがに凄まじく、

行く先々でこの混み具合。↓

夢彩都前にて

こんな調子で、夜まで回るんだから、

コッコデショの担ぎ手たちは、本当に大変だと思う。

 


  10月9日・桟敷席


最終日の10月9日は、なんと

諏訪神社の桟敷席で奉納踊りを見ることができた。

今年は特にチケットの入手が難しく、私は最初から諦めていたのだが

知り合いが一緒にどうですか?と声をかけてくださったのだ。

(日頃から「行きたい行きたい」と意思表明をしておくと、
ひょんなところでそれが実現することがあるものだ。)

朝早くから諏訪神社に続々と人が集まる。興奮。

これが桟敷席。この四角い枠が1マス。

大人が4人で座るとかなり窮屈。

お酒などは自由に持ち込んで飲んでもいいが、帽子はダメ。

一応、神事なので、神様に対して帽子は失礼に当たるんだとか。

手拭いならOKってことで、ほっ被りをしている人多数。

そして、この人!!

まさにおくんちのイメージどおり。

それにしても、諏訪神社かっこいいなぁ。

 


  東古川町・川船



では、これより出し物を順番に紹介。

まずは、川船を出す東古川町。

東古川町の傘鉾。釣りっぽいアイテムが搭載されている。

網打ち。魚の模型に向かって子供が網を投げる。

うまく網が広がって、中に魚が収まれば今年は大漁!

ってことなのだが、たとえ外れても、波に扮する人々

大急ぎで網の中に魚を入れるから大丈夫。

これは撒き物の場面。

各踊町のオリジナル手拭いに、お菓子などを包んで客席に投げ入れる。

みんな我こそキャッチせんと、池の中の鯉のようにクレクレ状態。

面白い。

そしてグルングルン回る川船。

長年のおくんちファンである会社の偉い人に言わせれば

上に乗っているススキがいいとかで、とにかく、

おくんちは川船がベストなんだとか。奥深いです。

 


  大黒町・本踊・唐人船



お次は、本踊り、唐人船を出す大黒町。

七福神の大黒様にちなんだ、打ち出の小槌を乗せた傘鉾。

そして現れた巨大な唐人船。

先端に乗っている子供、最初人形かと思ってしまった。。

音楽は、中国風に銅鑼とかを使ったもの。

長崎らしい、異文化混合の祭りだ。

こちらもやっぱりグルグル回す。

かなりのヘビー級。

 


  小川町・唐子獅子踊り



次は、唐子獅子踊りを出す小川町。

唐子獅子踊りとは、いわゆる獅子舞とはちょっと異なる

中国風味な獅子舞。

かみさんはこれが好きだと言っていたので、実はちょっと楽しみ。

傘鉾には鶴が乗っていた。あれ?サギかな?

これが唐子獅子踊り。まず、色がカラフルだ。

小さい子が玉のようなものを使って、獅子をコントロールする。

これ、動きがすごくかわいい。

かみさんが「いい」と言っていたのがわかった。いい。

寝たり、毛繕いをしたりもする。

肩車で、獅子が立ち上がったところを表現。

牡丹を食おうとしている。

 


  紺屋町・本踊



次は、本踊りを披露する紺屋町。

紅葉した楓が乗っている傘鉾。

場内アナウンスではトリカブトも乗ってると言っていた。トリカブト??

本踊りは、でかいアイテムとか登場しないので

じっくりと見なければ良さがわからない、と思っていたけど

写真のように白い布を振り回したりして、なかなか不可解

派手であった。

この回しっぷり、たぶん何か意味があるんだと思う。

 


  樺島町・コッコデショ



そして、待ってました。樺島町の太鼓山(コッコデショ)。

樺島町の傘鉾は天狗の面が乗っている。

反対側には別の色の面。なかなかシュール。

(仮面ライダーの敵でこういうのいなかったっけ?)

表:赤い面
裏:緑の面

 

でもって、コッコデショ。

街中で見たのはまた違った趣。(やってることはほぼ同じだけど)

会場のスペースをフルに活かした動きをしていることがわかる。

 

コッコデショで、特に「いいな」と思ったのが

上で太鼓を叩いている4人の子供たちの動き。

上下に揺さぶられる動作に合わせて

ユサユサ感を強調させるがごとく、身体を仰け反らせる。ステキ。

こちらは、宙に放り投げた瞬間をとらえた写真。

なんとか、あのすごさをホームページ上でお伝えできないかと思い

いろいろな撮り方で試していたのだが、

結論としては動画で見るのが一番のようだった。

ってことで動画。

 


  本古川町・御座船



コッコデショの後は、御座船の本古川町。

和太鼓が乗った傘鉾。

こちらが御座船。やっぱりグルグルと回す。

一緒に見ていた人が言うには、

「今回はこの御座船が一番気合が入っていてよかった」

とのこと。やっぱり盛り上がるには和風がいいんだとか。

根っからのくんちマニアの言うことは奥深いです。

 

ところで、長坂(ながさか)と呼ばれる無料特等席に

座っている人達はこんな感じ。↓

トイレのために席を立ったりはできないじゃないだろうか?

ってくらい、びっしり鈴なり。

客席の盛り上がり具合もここが一番すごい。

ついでに、おくんちの時の諏訪神社のトイレ事情だが

仮設トイレが追加されているにも関わらず、長蛇の列。

私は結局、最後まで我慢したが、どうしてもって場合は

一度外に出て境内の横にあるトイレに行った方が早い。

 


  出島町・阿蘭陀船



最後を飾るのは、出島町の阿蘭陀船。

かつて外国との唯一の接点だった出島は、傘鉾の文字もアルファベット。

上に乗ってるものも、外国から入ってきたニューアイテム、なのだが

具体的になんの道具なのか、ちょっと気になる。地球ゴマ

 

やがて洋風のマーチが鳴り響いて阿蘭陀船が登場。

日本の祭りに洋風のマーチってかなり新鮮。

で、このヘビーな阿蘭陀船も、やっぱりグルグルゴロゴロと回る。

 




桟敷席での見物は3時間にも及んだので、

さすがに頭が少しボーッとなり、

終わってもすぐには現実世界に戻れんかった。。

以上で、2004年度のおくんちレポは終了です。

 

 




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2004.12