レンタカーでの長崎旅行
旅行者:川合様 出発地:福岡 旅行した日:2004年10月
貴殿の長崎ガイドをネットから拝見・プリントアウトし、これを頼りに「くんち」の最終日(10月9日)に夫婦で長崎を訪れました。これは、その印象記です。
長崎、何となく異国情緒をそそられ、横浜・神戸とは違った語感・雰囲気を感じさせる名を持つ街。
福岡単身を活かして、横浜から家内を呼び(真相は彼女が「修学旅行以来(四十有余年)だから、行きたい行きたい!」)、福岡~長崎(泊)~島原・雲仙(泊)~有明フェリーで玉名~福岡、都合二泊三日、レンタカーでの長崎旅行。
1.車でも廻れます。
この日は土曜日でしたので、確かに夕刻の一時はちょっと混むように見えましたが、首都圏や阪神地区などの混雑に較べれば何と言うことはありません。最近のレンタカーは「ナビ付き」がありますから、初めてでも大丈夫。パーキングも、一部を除いてちゃんとあります。
ただ(この街は少々長細いですが)、剣客(健脚!)なら、著名なところは充分に歩ける大きさ(小ささ?)です。観光シーズンには、整いながらもゴチャゴチャした町並みを愛でながらハイク気分で歩き回るのもよいでしょう。勿論、途中にレトロ感覚一杯の「路面電車」の楽しみを入れるのもお奨めですが…。
2.平和公園付近
ご案内のとおり、この付近は「人とは何か?・私達は何をしてきたのか?」を改めて感じさせるところです。余分な言葉よりも、よく見て・知って・感じるところでしょう。
また、この平和公園、如己堂、浦上天主堂、爆心地、原爆資料館は、ひと歩きの範囲で、私の嫌いな「都会のクモの巣網状電柱・電線」が少なく、街路樹が整ったなだらかな坂や商店も結構綺麗で、素晴らしい町並みです。住んでみたくもなりますね。
3.グラバー園周辺
中華街にあるワシントン・ホテルに車を置いて、市電で大浦天主堂・グラバー園に出かけました。
グラバー園に向かう市電の車中から、大きな客船の停泊中を発見!これ、日本郵船の豪華客船「飛鳥」でした。このことは後で。
大浦天主堂
さきの浦上天主堂は現在改装中でじっくり見れませんでしたが、大浦天主堂は拝観させて頂きました。浦上・大浦の天主堂には、この街(と云うより九州西北部圏)のキリスト教(=私が受けてきた都会風の印象とは若干違う、日本風(もっと云えば土着風)の趣きと、人間の業とでも云うべき何か)が感じられます。
グラバー園
この庭園、今は三菱重工(造船)の所有ですね。そう云えば長崎は三菱城下町と云えるでしょう。
昔(私達の修学旅行当時)は単に「グラバー邸」と云っていたと思いますが、いまや一大観光庭園です。あの頃も、こんなに「〇〇邸」がありましたかね?
グラバーさんやその他の方々、オペラ「蝶々夫人」にまつわる事々など、じっくり見学させて頂きました。
さあて、門前市とでも云う商店街でお土産を…、ところが!
4.豪華客船とくんち
グラバー園を終えてから帰りにちょっと見に行こうと思っていましたが、グラバー園を巡り終えそうになったとき、女房が突如、
「パパ、何か賑やかになってきたわよ。ひょっとしたら!」
で、お土産物色もそこそこに、いそいで岸壁に駆けつけましたが、果たして!5時の「飛鳥」出立に合わせて出航前の30分間、「くんちの賑わい」を岸壁でやってくれるではありませんか!
「唐獅子踊り」まで楽しませて頂いた上に、出航見送りのセレモニーも堪能!久し振りに紙テープの乱舞を見ました。儲けた儲けた!
徒歩で「県立美術館」建設中の開発地域を抜け、お旅所界隈の屋台の賑わいを楽しみつつ、さて夜景を見に…。
5.稲佐山・ロープウエイ
日本三大夜景のひとつと謂われる稲佐山からの長崎の夜を遠望しに、ロープウエイに乗って出かけました。
が、このロープウエイ、市営(業務はどこかの会社が一括請負?)だからか、まことにショボイ(!)し、先ず以って、麓の駅の侘びしさは頂けません。
夜景を楽しみに行くのですから、当然、夕方出掛けるでしょう。私達も「くんちの屋台」を冷やかしてから、近くの停留所からバスで行こうとしましたが、「ロープウエイの駅(発着所)はどこ?」状態なのです。町の人は行き方を余り知らないし、バスの運転手さん数人に尋ねたところ、皆さん、これまた違うことを仰るのです(この訳は後で判ります)。
それやこれやで適当に方角を決めて(途中、余計なバス乗り換えもして)、やっと辿り着いたロープウエイの駅は、薄暗い神社の奥にあります。
捜しにくい看板を頼りに駅に向かうのはなんとも侘びしい限りです。当然観光客は少ない。6時過ぎの出発時間に駅にいたのは、我々夫婦を入れて7人でした。
それもその筈、料金が高すぎます。長崎市として、路面電車はうまくいっているのに、これはどうしたことでしょう!
帰りに気付いたのですが、実はもう一方に「スカイ・ウエイ」とやら云う数人乗りゴンドラがあり、この方が安く、カップルだけでも乗れるし、発着所に駐車場もある!みなさん、車で行って「スカイ・ウエイ」に乗ることをお奨めします。バスの運転手さん達、ロープ…とスカイ…を混同して教えてくれたのですね、遠征してくる観光客にはわかる筈がありません。
さらに加えれば、、山頂の展望台のレストランも閉鎖状態!でした。
六甲山(神戸)函館山(函館)に較べてどうか?明るさ・眩さは神戸、スケールの大きさなら函館です。稲佐山からの夜景もそれなりに景観ですが、今の状態を何とかしないと、長崎が誇る「三大〇〇」が泣きますよ。まあ、それほど市が力を入れるほどでもないのかもしれませんが。
6.中華街
それやこれやで帰りが遅くなり、ホテル帰着は午後8時半過ぎ。すきっ腹で、さあ「ちゃんぽん」と、出かけました。
中華街、申し訳ないが横浜のそれとは一桁ぐらい違う大きさ(小ささ)。でも美味い「本場ちゃんぽん」が頂けるなら…、ところが、残念ながら超有名店で、「この時間は、コース料理以外はダメ!」、「エエーッ、まだ9時前よ!」。くんちの夜だし、折角の観光客を大事にしなきゃ!
こうなったら、ホテルの人が教えてくれた「我々もよく行く店」へ。
ちょっと量も具も少なく、別に餃子・酢豚を追加しましたが、結構美味しかったし、お店の人はどこかのように高飛車でなく満足しました。しかし、しゃくではありますが、家内のご近所へのお土産は、やはり「江山楼のちゃんぽん」でないとね!いろいろ買いましたよ、「うひゃーっ、高っけーっ」でしたが…。
その後、また夜店を冷やかしに、二人で夜歩き。最後はスターバックスのコーヒーを買って、グラバー園前で大急ぎ買っておいた「弟子焼き」を頂きました。「弟子焼き」うまい!
7.諏訪神社
翌朝、諏訪神社に向かいます。
昨日買えなかったカステラ、ガラス細工などのお土産を買ってから、スイスイと諏訪神社へ。境内では、くんち観覧席の撤去中でした。
この神社良いですね。境内の佇まいと言い、社殿の備えと言い見事なものです。
境内のいろいろな狛犬など見どころを巡って月見茶屋で一休み、美味しい「おはぎ(ぼた餅)」を頂きました(→ ぼた餅(牡丹餅)は春、秋はやはり「おはぎ(お萩)」の方が情緒があります)。
本家の諏訪大社を知っていましたので、このようなところに諏訪神社とは!と、多少驚きの印象です。
8.崇福寺
ご案内のとおりでした。ただ、建物全体がが少し草臥れてきてますね、国宝の門、同本殿も。国宝だから簡単には手出しできないのかもしれませんが、補修の必要ありと思います。
裏山は急な斜面ですが殆ど「墓地」なのですね。かなり古い墓石が沢山あり、有名な人たちも眠っているとか。
ここの駐車場はちょっと判り難い。探せずに諦めて帰ってしまう観光客が居ました。こちらは、嗅覚の鋭い「家内」がついてますから、門の脇からの侵入路を簡単に見つけてパーキング(諏訪神社もそうでした)。タクシーの運ちゃんもビックリ!
9.終曲
崇福寺を終えて、まだまだ寄りたいところはあったのですが、島原・雲仙にも見たいところがあり、後ろ髪引かれる思いで長崎を後にしました。
この先は、長崎バイパスなど便利な道は使わず、一般道を「~諫早~島原半島東側を半周~島原城・武家屋敷~普賢岳(噴火被災)の爪痕を巡り、雲仙観光ホテル到着は午後5時過ぎでした。
余談ながら、雲仙観光ホテルは69年前のこの日(10月10日、当時は県営)オープン、丁度70年目に入る日で、往時を偲ばせる食堂での夕食後、記念のミニ・コンサートまであり、ユッタリとした時間を過しました。
以上、私流の長崎レポートでした。
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